概要:
本ブログは、Memory Interface Generator(MIG) を実装するための PCB 設計のガイドラインについて説明します。具体的には、PCB 基板設計において注意すべき事項を中心に説明します。PCB 基板完成後のサンプルデザインの実装は、次回以降のブログで紹介します。
メモリ インターフェイスの開発フロー:
評価、設計の段階に応じて行うべき開発手順をわけることができます。この記事では PCB ガイドラインについて説明します。
PCB ガイドライン:
MIG の PCB ガイドラインは、UltraScale アーキテクチャ PCB デザイン(UG583 : 英語版、日本語版) に記載されています。UG583に記載されている内容は、厳密に満たすように設計してください。
- 第 1 章は、UltraScale デバイスの電源について説明しています。デカップリング キャパシタの選択、推奨個数とPCB 形状の推奨を説明しています。
- 第 2 章は、メモリ インターフェイスの PCBガ イドラインについて説明しています。
- 付録 A は、メモリのディレーティング表を示しています。スキューの数値は、FPGA の速度定格、メモリ コンポーネントの定格、およびシステムの動作速度によって決定されます。動作速度によってスキュー数値を緩和することが可能です。

- メモリ インターフェイスのデバッグ テクニック1 に記載しているように、チェックリスト (XTP359) があります。ご活用ください。

- PCB の設計において、メモリ インターフェイスの信号品質をプローブで確認できるように次を検討してください。
- 信号スキューを確認するために、メモリ クロック、リード ストローブ、ライト ストローブの信号すべてを測定できるようにする。
- 各データ バイトの中で1 ビット は、信号品質確認のため観測できるようにする。
- MIG のキャリブレーションのデータ (キャリブレーション結果、経過データ、ウィンドウ マージン) は XSDB に保存されます。XSDB は JTAG を経由して読み出しますので、必ず JTAG を接続してください。
- FPGA とメモリ デバイスの電源とグラウンドを測定できるようにする。

消費電力と熱:
- MIGは、高レート、高ビット幅であり、双方向バスの入力終端であるため、消費電力が大きくなる傾向にあります。
- Xilinx Power Estimator (XPE) を使用することにより、事前に消費電力を見積もることができます。MIG IP 単体の消費電力は含まれないため、次に示 MIG IP 単体の消費電力を加算してください。
http://www.xilinx.com/products/technology/power/xpe.html
XCK7325T HP バンク DDR3 32bit 1600Mbps ~1.75W (1.906 - 0.156)
KCU040 HPバンク DDR3 32bit 1600Mbps ~ 1W (1.5 - 0.5)
KCU040 HPバンク DDR4 32bit 1600Mbps ~ 0.7W (1.2 - 0.5)
IBIS シミュレーション:
- IBIS シミュレーションを実行することにより、設計基板による信号品質を事前に確認できます。信号の反射や減衰、アイの大きさを確認してください。参考までに、グラウンド スティッチ ビアのあり・なしを比較している図 2-13 がPG150 に記載されています。

- シグナルおよびパワー インテグリティの詳細は、下記のラウンジにあります。ご参照ください。
https://www.xilinx.com/member/ultrascaleplus_si_pi_lounge.html